最近見て特に良かった映画

最近みて特に良かった映画はやっぱし「いぬやしき」。2018年4月20日に劇場公開された、佐藤信介監督によるにSFアドベンチャーだ。元になっているのは奥浩哉による大ヒットコミックになり、「GANTZ」などでお馴染みなはず。ネタバレしない程度に内容を説明するとこんな感じ。

初老のサラリーマンである犬屋敷壱郎は、会社の中では疎外感を覚えていて家庭内でも居場所がない。ある時に定期健診で末期ガンが見つかってしまい、余命数ヶ月の宣告を受けてしまう。家族にも打ち明けることが出来ずにひとりで思い悩んでいると、謎の事故に巻き込まれる。目覚めた時には何者かに人体改造を施されていて、身体中に超人的なパワーが満ち溢れていく。自分自身の能力を密かに人助けのために役立てていく犬屋敷が巡り会ったのは、全く同じ境遇の高校生・獅子神皓。自らが得たパワーを欲望の赴くままに使っていく獅子神の暴走に歯止めをかけるために、犬屋敷は果敢にも立ち向かっていくのだ。

主人公の犬屋敷壱郎を演じている、木梨憲武のしょぼくれた後ろ姿がいいなぁ。オムニバスドラマ「世にも奇妙な物語」の中でも特に人気の高い、「思い出を売る男」の名演技に重なるものがある。中盤戦から後半パートにかけての豹変ぶりには、とんねるずの名作コント「仮面ノリダー」を思い出してしまうはず。佐藤健がこれまでに定着させた好青年のイメージをがらりと一新させる、悪役に徹しているのも驚き。終始一貫して冷血なサイボーグのような表情を浮かべている獅子神皓と、肉体を機械化されても決して心の奥底の人間らしさを見失うことのない犬屋敷とのコントラストが最高。

平々凡々とした人生を送っていたおじさんの、ある日突然の変身ぶりが見所。毎日のオフィスでのルーティンワークにお疲れ気味な、40代50代サラリーマンにもいいんじゃない。